産経新聞栃木版(平成24年6月20日)


※平成24年6月20日に掲載された産経新聞栃木版より抜粋

産経新聞栃木版掲載画像

平成24年6月20日 産経新聞栃木版に掲載

相田みつをも愛した味

佐野市を訪ねてラーメン店とともに、
目につくのが手焼き煎餅の店。
旧市街はかつて、一つの町内に5、6件の
煎餅屋さんがあったという。
それだけに昔ながらの手焼き煎餅の味が
いまも受け継がれている。

佐野煎餅の中でもおすすめは「じねん焼き」。
パリッとした食感とともにうるち米の本来の風味を
生かした手焼きならではの香ばしい味が楽しめる。
手みやげなどに利用しているが、
「昔ながらの煎餅の味」と評判が良い。

商品名の「じねん」とは「自然」のこと。
名付け親は足利出身の書家で詩人の相田みつを。
店主の功一さん(66)の母親、かずゑさん(91)と
相田みつをの姉が友人で、
包装紙のデザインを相田みつをに依頼。
商品名と宣伝文句も考えてくれたという。
昭和40年代から、今も相田みつをデザインの包装紙を使っている。
箱詰めの中には「自然のこころ自然の味を一枚一枚の中に生かすことに苦心をしております…」と、
相田みつを直筆の宣伝文句のコピーも入っている。

「じねん焼き」は「薄焼き」「手焼き」「青のり」「海苔」など7種類。
中でも加藤さんが「ひと味ではなくふた味は違う」というのが
焼きたての煎餅にしょうゆをハケでつけた「手焼き」。
しょうゆがほどよく染みた同店自慢の一品だ。
相田みつをも好きだったという「じねん焼き」。
「これはうまい!とお声がかかれば望外の幸せでございます」(相田みつをの宣伝文句から)。


(投稿日:2013年03月25日)